12/10

先月か先々月、ペドロ・コスタの特集があったのでシネマリンの年間会員に登録してみた。通常料金だと1本1900円くらい、会員料金1300円なので年間で3本くらい見たら元が取れる計算だったので、まあそれくらいなら見られるかなと。『骨』と『血』が見たかったし、正直映画に1900円って馬鹿げてると思ってしまう。映画って1本1000円…は流石に言い過ぎとして、1500円くらいでは見られてほしい。

会員になると月ごとくらいに会報が物理で送られてくるという仕組みで、メールで送ってくれればいいし正直それはいらないかなあと思っていたのだけど、先月末に送られてきた封筒に会員無料鑑賞券が入っていて、これは元が取れすぎなのでは!?!?と思った。

夏くらいに『ユリシーズ』という日本映画が公開されていて、ユリシーズの翻案であり、マドリードかどこかのスペインの都市と、日本と韓国だかを色々回るというような筋立てをみてこれは面白そうだと思っていた。で、それが見に行けたらなと思っていたのだが、スケジュールに印刷されていた別の映画(『旅と日々』)をそれだと勘違いして(何故かというか単にうろ覚えだっただけなのだが)見に行ってしまったのだけど、結果として面白かった。

韓国人の女性で、脚本家の仕事をしている人が主人公。映画は前後半の二分構成になっていて(エンドロールでそれぞれつげ義春の作品を翻案したのだと知った)、前半は彼女が執筆している映画の脚本の内容と、執筆前後の実生活がシームレスに繋がれる形で話が進行していく。前半部で関連人物の一人が亡くなり、後半部ではその遺品であるカメラを手に、休暇旅行でたどり着いた北国の古宿での数日間を描く。

とりわけ劇中劇の撮影舞台として使われている、根拠はないが日本の南西のどこかを思わせる田舎の島の風景の画が終始素晴らしく、もちろん台詞やストーリーも良かったがこれは原作に備わっているものなのだろうと想像された(後半にも大体同じことが言える。物語、人物の良さとその映画的表現)。

全体として素直な物語映画になっており、雑な言い方だがThe 日本映画というべき雰囲気が漂っていた(なんというか、例えば台所や自然の風景。後半で彼女が泊まる宿が民家だということとかもあるけれども)。

劇中で流れる音楽もよかった。知り合いには是非勧めたい。前情報なく見に行った映画は久しぶりだったのだけれど、いい作品に出会えた。